
キブシさんの個展に、黄金色に発光している銀杏の木のクレヨン画があった。
病魔におかされたキブシさんが、もう一度絵を描こうと思い、健康を取り戻すきっかけになった作品だ。
公園を散歩中、実際に銀杏の木が光り輝いて見えたのだそうだ。「これは絵にしなければいけない」と思い、画用紙に葉がまばゆく光っているように描いた。想像ではなく、見たとおりという。
乳癌を患ったという女性がこの作品を見て、「死の絵」と言った。自分もそんな光景を見たそうだ。透明で清潔な光景。そしてその世界にあこがれた。しかし、その世界は「死」の世界なのだ。
生きる力が強くなってゆくと、世界は少し鈍く見えてくるらしい。そして、手触りがあるのが「生きた」世界だ。ざらざら、ごわごわ、つるつる・・・。
写真:
少しだけ開いた雨戸 2008年3月3日